西表島でオオクチユゴイを狙う

西表島

東洋のガラパゴスと呼ばれる西表島。

手付かずの大自然には様々な生き物が生息している。

西表島でオオクチユゴイを狙う

今回のターゲットは主に渓流域に生息しているオオクチユゴイ。

沖縄まで来たのに、きらめく綺麗な海で釣りをしないなんて勿体ないと思うかもしれないが、渓流の釣りがこれまた面白い。

オオクチユゴイは警戒心が強く、人影を見ると岩陰に隠れてしまうので、気付かれないように注意を払う。

臆病な反面、ルアーにはかなりアグレッシブに反応する。

ただ、1度ルアーを見るとなかなか喰わなくなるので、1投目のキャストに緊張感が走るゲーム性の高い釣りだ。

釣りはもちろんだが、ジャングルに流れる川を遡上して、普段あまり出会うことのない生き物を探すのも、沖縄の渓流の面白いところ。

ポイント探し

西表島には大小40程の川があると言われていて、たぶん、どこの川にもオオクチユゴイは生息している。

すべての川がポイントにはなるのだが、入渓ポイントが難しい。

トレッキングやシャワークライミングなどのツアーが開催されていない川だと基本的に登山道はなく、藪漕ぎしていくか干潮のタイミングで河口から遡上していく必要がある。

一方、ツアーが解散されている川だと人の出入りが激しく、警戒心の強いオオクチユゴイは擦れている可能性が高い。

そうは言っても行ってみないことにはわからない。

試しに大見謝川に入ってみた。

大見謝川

キャニオニングツアーで有名な川で、駐車場も完備され観光客も多い。

駐車場から川に降りる階段があり、そこから入渓した。

河口には早速オオクチユゴイの姿があったがルアーには、まったく反応しなかった。

この川は海との高低差があるので干満の差はないのだか、入渓してすぐに深くなったので岸を歩くとこにした。

川の傍から水面を除くと、ここにもオオクチユゴイの姿が。

しかし、草木が立ちこんでいてキャストできない。

諦めて先に進むと、川の雰囲気が変わってきた。

20㎝弱のオオクチユゴイが時折姿を見せるがなかなか喰ってこない。

もう少し先に進むと、いかにも釣れそうなポイントに到着。

小さな個体がチェイスしてきたが、足元で反転してかえっていった。

この先は滝があり、それ以降はオオクチユゴイの姿はなかった。

オオクチユゴイは産卵時、降海するので、滝などの魚止めがあるとその先にはいない可能性が高い。

なので、最初の滝までが主なポイントとなるのだが、やはり人が多く入っているからだろうか、現れる数も少なく感じた。

ちなみにここは登山道があるので、そこから入れば滝まではすぐにアクセスできる。

ユツン川

ここが今回の本命の川になる。

ユツンの滝やマヤロックの滝に行くトレッキングツアーもやっているようだが、大見謝川より人の出入りは少なそう。

駐車場もあるので安心してアクセスできる。

少し藪をこいで入渓。

干潮のタイミングで膝下くらいの水深だったので、そのまま川を遡上していく。

深みにミノーを通すとマングローブジャックがチェイスしてきた。

少し歩くと川の雰囲気が変わり、岩がゴロゴロした渓流のサマに。

オオクチユゴイがいそうな所は遠目からキャストして反応を見る。

早速喰ってきた。

が、お目当ての魚ではなくマングローブジャックだった。

オオクチユゴイのチェイスはあるものの、なかなか喰わせることができない。

しかも、3投目からはぜんぜん反応しなくなるので淡々と進んでいく。

ようやく1匹喰わせることができたが、ランディング寸前でバラしてしまった。

この必死さ…

こそこそ忍足で近付き、岩陰に隠れながらキャストしては、チェイスして目の前で反転していく。

これは僕が下手くそなのか、オオクチユゴイがひとつ上手なのか…

ここ絶対おるやろ。ってところで1投目、ピンポイントキャストが決まった時は最高に気持ちがいい。

しかし、高揚した気持ちとは裏腹にオオクチユゴイは出てくれない。

チャンスを掴むため、こんなとこおらんやろ。と思うところにも極力投げるようにした。

岩と岩との間、幅60㎝もない隙間にも試しに投げてみる。針に糸を通すかの如く、ミノーが吸い込まれていく。

着水と同時に岩陰から大きな黒い影が現れた。

40㎝はあろうオオクチユゴイだ。

ミノーの5㎝後ろをピタッとついて追いかけてくる。

喰え!喰え!と心の中の叫んでいたつもりが思わず口にでていた。

ルアーが足元に近付き、カウントダウンが始まる。不思議と川の流れが止まったようにスローモーションに見えていた。

喰うのか喰わんのかどっちやねん。

魚とルアーの距離が近付く。

ついに口先がルアーに触れた。

かすかな振動がラインから伝わってくる。

きた。

と、思わせぶりなことをするだけで、オオクチユゴイは反転して岩陰に消えていった。

一瞬の出来事だったが、心臓の鼓動が鳴り止まない。

再度ルアーを通すも、あの大きな影が現れることはなかった。

あんなデカいやつがいるのか…夢が膨らむ。

そして、最後のポイント(魚止め)についた。

いかにもなポイントだが、ここで出なかったらおしまいだ。

期待を込めて1投目。いいところにキャストが決まる。

しかし、チェイスすらなかった。ダメか。

2投目。着水と同時に巻き始める。

するとグググっとロッドがぶち曲がった。

きた。最後の最後にきた。

しかもデカい。

ドラグ音が心地よく鳴り響く。

足場の高い岩の上から投げていたので、キャッチするには降りないといけない。

絶対バレるなよ。ラインを緩めないようテンションをかけながら慎重に降りる。

そして、無事ネットイン。

思わず歓喜の雄叫びがでてしまった。

サイズは31㎝の尺越え。上出来だ。

この先、おそらくオオクチユゴイはいないだろう思い、最高の気分で帰路に着くことにした。

入渓ポイントに戻ると潮が満ちて、腰上くらいの深さに…帰る時間は計画的に。

タックル

ルアー:ラパラ カウントダウンエリート


ロッド : Huerco XT-505C

持ち運びを考慮した、仕舞寸法約39センチの5ピース。源流~渓流域のトラウトから、小規模河川のシーバスやクロダイ、南西諸島のライトプラッギングまで。日常の釣りは勿論、旅先の水辺においても ”ベイトタックルで遊ぶ” ためのライトゲームスペシャルと言えるでしょう。

https://huerco.jp/product/xt505-5c

機内持込も可能でカバンに忍ばせておいても邪魔にならない仕舞寸39センチのコンパクト設計

2〜10gほどのジグやルアーもキャストしやすく、比較的大きい魚でも安心してやりとりのできるロッド。

常にカバンに忍ばせておきたいロッド。

買ったら釣りする機会が増えること間違いなし。

リール : SHIMANO SLX BFS

ベイトフィネスを身近にするコストパフォーマー。制動セクションはベイトフィネス専用に開発したFTB(フィネスチューンブレーキシステム)。スプールからブレーキユニットをなくすことで軽量化し、軽量ルアーをストレスなくキャストすることができます。その他の仕様もX-SHIP、エキサイティングドラグサウンドなど充実。

https://fish.shimano.com/ja-JP/product/reel/baitlurecasting/a075f00003nhub3qam.html

軽いルアーでもトラブルなくキャストができるベイトフィネスリール。

その中でもコスパに優れているので最初の1台におすすめのリール。

スピニングもいいけど、やっぱりベイトの方が手返しも良く、キャストしてるだけで楽しい。

ライン : SHIMANO ピットブル4本編 0.4号

まとめ

海釣りとは、また違う楽しさがある沖縄の渓流釣り。天候にも左右されにくいので、風が強い日は渓流に行ってみるのもおすすめ。

ほとんどの川にオオクチユゴイはいると思うが、人が入っていない川を見つけることができれば見たことない大物が現れるかも。

未開の地を探っていくのも冒険感があっておもしろい。

山の中に入ると携帯の電波が繋がらないところも多いので、装備はしっかりした上で安全面には気をつけて。

アダンなどトゲがある植物も多いので、藪漕ぎは、あまりおすすめしないが、やるなら長袖で厚みのある服装で。

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